私しか知らない秘密のあなた
灰色が空に広がり、シャワーの様に雨が落ちてくる。
水たまりを避け、私はピンクの傘を躍らせながら音楽のボリュームを高める。
〜♪〜♪〜♪…。
いつもとは違う道を歩く。
ふと気付くと、電柱の下に、傘とずぶ濡れの段ボール箱が置いてある事に気づいた。。
中に何かがいる?
イヤホンを外し、中をそっと開く。
箱の中には小さな子猫が震えながらこっちに向かって鳴いていた。
「もう大丈夫。怖がらないで。」
私は子猫を抱え、頭を優しく撫でた。