私しか知らない秘密のあなた
「…あ、あのね。実は…。昔の事なんだけど…」
私が言おうとした時…
「あ!あの家ですか?」
由が、突然言った。
「そ、そうだけど……。あのね…。」
続きを話そうとする私に、由は
「ちょっと待って下さい。言いたい事は分かります。でも…少し。せめて明日まで待って下さい。」
「で、でも………。」
「少しだけ。僕に時間を下さい。お願いします。」
その時の由は何だか悲しそうで見てられなかったから、私は「分かった」って呟いた。
「でわ、明日。あの場所で会いましょう。さようなら。」
由は、一言そう言うと、帰ってしまった。