私しか知らない秘密のあなた
僕があの場所に着いた時には、もう彼女は居た。
当たり前か…。
僕は彼女の所に急いで向かった。
「すいません。生徒会の仕事で…。」
怒ってると思った。しかし彼女は、落ち着いた声で、
「いいよ。大丈夫。その方が良かったし…。」
そう言うなり、彼女は黙ってしまった。
あぁ。僕はもう関係の無い人なんだ…。どうせ、今日でこの関係は無くなっちゃうんだから。
彼女はそれを言い出せずに居るんだ。
ごめん。
今楽にしてあげるから。
「で、話って何ですか?まぁ、大体は予想できますけど…。」
言いたくなかった。
自分から振る事は絶対したくなかった
でも、彼女が苦しむなら。辛いのなら。早く終わらせてあげよう。
さぁ。早く…『由の事やっぱり無理。あんたみたいな弱虫は嫌いなの』って言って…?
僕はもう君には近付かないから…。
「あ。ごめんね。今言うから…。」
彼女はそっと口を開いた。
「由てさぁ、私の事知ってるよね。」
ほら、やっぱり…。
その事だと思ったよ…。
僕は素直に答える。
彼女の事を守る事が出来なかった自分を…。
「うん…。でね、あの時の事謝りたくて。ごめんね。私の為に…。でも…」
はぁー。終わった。もう彼女との関係も…。僕の唯一の楽しみも…。
僕みたいなのと一緒にいてくれてありがとう。
そして僕は口を開く。
「でも…?何ですか?」