キミの横顔



「あの…」

口を開けたけれど、何を話したらいいか分からない。どうしよう、どうしよう。
「ごめん、このまま俺の話聞いて」

藤谷くんは何で私を抱きしめているんだろう。
それもこのままって…
心臓もたないよ。
確実に聞こえちゃう。
ほら、ドキドキって。


あれ?
聞こえた鼓動は私のじゃない。
背中を伝わって聞こえた彼の胸の音だった。

一気に体温が上がって、熱くなる。


「美歌は彼女じゃないよ、ただの友達」


え、本当?
本当にほんとなの?
良かった、安心した。
誤解ってこのことだったのかな。
早とちりして恥ずかしい。

「だから安心してよ。もう会えないとかきつい。何で時間変えたの?探すの超大変だった…」



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