キミの横顔



その時、

「あれ?さっきの駅で降りなかったの?」

追いかけていた彼が…。
今目の前に。
胸が高鳴った。

「あの!!」

100%ダメ元で私は言った。
「昨日は定期拾ってくれてありがとうございました。お礼がしたいんですが…
何か……」

言葉が震える。
こんなこと逆ナンパみたいでキモいって思うかもしれない。
実際私なんか可愛いくないし、バカみたいって分かってる。
でも今日だけ。

「別に大丈夫。だからお礼なんて悪いよっ」

「お願いします」

私は顔を真っ赤にしながら頭を下げた。
あぁ、もうどうしよう。
彼絶対困ってるよね。



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