窓に灯

 食事も中盤になって、俺はようやく相談を持ちかける覚悟が決まった。

「なあ、恵里」

「なにー?」

「明日合コン行っていい?」

 振り向いた恵里は、目を大きく開いた。

 こんなダイレクトな言い方、マズかっただろうか。

「いや、あの。人数が足りないって、友達に頼まれちゃって。恵里がイヤなら、ちゃんと断るから」

 俺は慌ててフォローを入れた。

 恵里は口に入れていたジャガイモを飲み込み、言った。

「歩、初合コンじゃん。やったね」

 それは俺が合コンに参加することを喜ぶ言葉だった。

 俺はきっと、ハトが豆鉄砲を喰らったような顔をしていたと思う。

「え、いいの?」

「別にいいよ、それくらい。大学生なんだから、合コンくらい多少体験しとかないと」

「あ……、そうかな」


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