窓に灯
今まで断ってきたのは、何だったんだ。
少し気を重くした俺は、何だったんだ。
「相手は? やっぱ女子大生?」
「そうみたい」
「いいな、女子大生。きっとあたしと違って清楚だよ」
それから恵里は、男なんだから出来るだけ多く払いなさいとか、下ネタはダメだとか、色々アドバイスをくれた。
彼氏に合コンの指導をするなんて、アリなんだろうか。
完全に俺を信用しているのか。
俺が全くモテないと思っているのか。
あるいは、誰かに持って行かれても構わないと思っているのか……。
俺はまた少し不安になった。
「心配じゃないの?」
恵里は逞しく笑って言った。
「だって歩の帰る場所は、ここだもん」
そんな恵里が好きだ。
「当たり前だろ」
大好きだ。
絶対に目移りなんてしない。