窓に灯
翌日、合コンの会場にて。
予想外のことが起こった。
「歩君って、バイト何やってるの?」
「歩君、手相見せて」
「歩君の声、低くてなんかシブいね」
彼女がいると宣言したはずの俺が、モテた。
しかも、みんな可愛い。
悪い気がしない。
原がニヤケながら俺をそそのかす。
「チューくらいしてもバレないんじゃねーの?」
バカ野郎。
俺には恵里という心に決めた彼女が――……。
「ねえ、今度また会えるかな?」
「え?」
「あ、彼女いるもんね。二人じゃなくて、またみんなで遊ぼうよ」
「ああ、それなら」
「じゃあ、ケータイ教えといて」