窓に灯
忘れていた。
俺は初対面の女にめっぽう弱い。
特にこういうか弱そうな、扱いのわからない女たちは。
遠慮がちに頼まれると、断れなかった。
結局俺はその場にいた女3人と、ケータイの番号交換をした。
別に浮気するわけじゃないんだから。
自分と恵里への思いに、そう言い訳した。
会場の居酒屋を出ると、どっと疲れが出た。
二次会はどうしようかという相談が行われているが、俺は外野でぼーっとその様子を眺める。
「歩君、クールなんだね」
最初に番号を聞いてきた女、名前は確か、サオリとかいったと思う。
「そんなつもり、ないけどね」
「なんか、同い年って思えない。大人っぽい」
「れっきとした18歳だよ」
「あはは、あたしのほうが上だ。もう19になったもん」