窓に灯
それを聞いて、俺も来月で19だな、なんて考えていた時だった。
派手な人間には目が行くものだ。
通りの方に、金の巻き毛の後姿を発見した。
着ている服で確信する。
恵里だ。
俺は思わず息を飲む。
恵里の隣を歩いている、男。
顔は見えない。
恵里と並んでしっくりくる、オシャレな装い。
どういうことだ?
なんて考えていると、あろうことか二人は同じタクシーに乗った。
いやいや、マジ、どういうことだ?
可能性はたくさんある。
俺はタクシーが通過するまで、二人に釘付けになっていた。
「歩君?」
サオリが俺の顔を覗いたところで我に帰る。
「いや、ちょっと……」
「知ってる人でもいた?」
「まあ、そんなとこ」