窓に灯
持ち出したのはエアーガン。
小さなプラスチック製の弾が入っており、引き金を引くと発射される仕組みになっている。
俺は安全装置を解除し、恵里の部屋に銃口を向けた。
発射!
カツン パラパラ……
思いの外地味な音を立てるエアーガン。
暗くて見えないが、窓には当たったはず。
しかしまだ窓が開く気配はない。
もう一発、発射!
カツン
くそっ。
こうなったら三連発だ。
カツンカツンカツン
それでもまだ出てこない。
聞こえていないのだろうか。
どうしよう。
ここまでして出てこないのは想定外だった。
距離は2~3メートル。
もっと大きな音を立てなければ。
俺は何か窓を割らない程度に音を立てられるものを探す。
窓の右に位置する勉強机の引き出しを漁ると、条件に合いそうなのは俺の昔のメガネだけだった。
仕方ない。
でもこれで恵里が気付くなら……投げる!