窓に灯
優柔不断




 ある日、友人の原からこのような話が舞い込んできた。

「なあ、合コン来てくんねえ?」

 彼主催で近所の女子大生との合コンを取り仕切るらしいが、どうも人数が揃わないという。

「俺、女いるって言っただろ」

「そこを何とか。マジ、ただの人数合わせだからさ」

 正直、合コンには興味がある。

 入学してすぐの頃はバンバン誘いがあったのを、俺は彼女がいるからという理由で断り続けてきた。

 恵里を裏切るつもりはこれっぽっちもない。

 ただ、人生経験としてどのようなものか体験してみたいのだ。

 今回も断る気でいる。

 が、親しい友人に頭を下げられると、さすがに迷う。

「たぶんあっちも彼氏持ち来ると思うからさ。彼女いること、言ってもらって構わないし、な?」

「それ、いつやんの?」

「明日。あ、バイト?」

「いや、ないけど……」

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