オサナナジミ


『そりゃ、男子だもん』


「そんなこといって未穂持久走とか徒競走とか、上位入ってんじゃん」


『アハハッ体育の成績はよかったからね~』


「体育と英語は天才的なのに、それ以外がなあ・・」


天才的とまでは全然いかないけど、その2つは得意


いや、その2つ"だけ"が得意


英語だけは学年トップだから


それ以外はダメダメだから・・


真面目に勉強してるんだけどな・・


『うるさいなーほら、口より手を動かして』


・・健人が英語苦手なんて知らなかった


ってか一緒に勉強するとか初めてだし


部屋の中は静か


するのはペンを走らせる音だけ


「ね、未穂。俺の顔になんかついてんの?」


『え?別に?なんで?』


「なんかさっきからこっちずーっと見てるから」


気がつかなかった


そんな見てたかな?


『なんでもないよ。終わったかなーって思っただけ』


咄嗟にでた嘘


屁理屈なんかはすぐ思い浮かぶ


テストの答えは出ないのに


「そ?てっきり俺のこと好きなのかと思った」

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