オサナナジミ

『ただいまー』


「おかえり」


お兄ちゃんが玄関で待ってましたかのように出迎えてくれた


『どうしたの?』


「ちょっとこい」


連れてこられたのはお兄ちゃんの部屋


『何?』


「おまえさ、辰也と付き合ってんの?」


半ば怒り気味に言った


『なんで?』


「おまえらが一緒にいんの見たって奴がいるから」


『誰よそれ?』


「誰でもいいだろ。でも男女交際は認めない」


『意味わかんない。父親かよ』


「違うよ。兄貴だよ」


わかってるよ


『別にアタシが誰と付き合ったっていいじゃん』


「よくねぇ。おまえはまだ若い」


『もう17だよ?』


「大人は20になってから」


『19才のクセに!』


「でも俺は大学生だ」


『たいして変わんないじゃん。てかお兄ちゃんにそんなこと言われたくない』


{ドンッ}


アタシは部屋を飛び出した


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