オサナナジミ
電話がかかってきて蓮クンはでなかったこと。
冗談のつもりで言ったことに戸惑ったこと。
ケータイに愛しの瑠実と書いてあったこと。
「なんだよそれ・・」
『アタシが訊きたいよ。胡桃の気持ちもてあそんどいて挙句の果てに胡桃が勝手にキレた?最低だよ・・』
「俺、あいつ問い詰めてみるから。あんな最低なの初めて見た」
そのまま健人は走っていってしまった。
『よいしょっと。アタシも部屋戻ろ』
部屋に入ると、胡桃がケータイのストラップを見ながら泣いていた。
おそろいらしい。
「未穂・・恋愛ってこいういものなのかな?切ないねっ」
『胡桃・・』
胡桃の笑顔のが切ないよ。
涙溜めてムリして笑顔見せないでよ。
『運命の王子様はきっといつか現れるよ。蓮クンは胡桃の寄り道だったんだよ。人生のちょっとしたね。これからまた違う道があるかもしれないじゃん。どんなに間違った道に入ったとしても、最後に出口に辿りつければいいじゃん。それまでいっぱい間違って、正しい答えを見つけよう?』
アタシは胡桃を抱きしめながら言った。
彼女は泣き出してしまった。
『大丈夫だよ。胡桃は1人じゃないから』
「未゛穂ー」
それからしばらく経って、胡桃はまた眠りについてしまった。
アタシも一緒に。