オサナナジミ


『ほら!』


「いいじゃん。かわいい。未穂っぽいよそれ」


麻耶と同じこと言った


「でもさ、それ高かったでしょ?」


『なんでわかったの?』


「そのショ袋!ブランドじゃん」


『まぁね。でもかわいいからいーの!!』


お兄ちゃんはパンプスを手にとって見ている


「S?!ちっさ!!」


『別にサイズはどうでもいいでしょ』


アタシはお兄ちゃんからパンプスを取り上げた


「きつくない?」


『ピッタリだよ!!』


「小学生並みじゃん」


『そこまで小さくないっ』


アタシは階段をかけあがっていった


お父さんは背が高い


お母さんは背が低い


お兄ちゃんはお父さんに似たらしく、背が高い


でもアタシはお母さんに似ちゃったらしいから背が低い


なんでアタシもお父さんに似なかったんだろう・・


そのせいでみんな未だにアタシのことを子ども扱いする


それが本当に嫌


もうすぐ18才なのに


『あっパンプス下に置いてきちゃった』









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