LoveMission


あの子達は言えるんだよ


好きな人に好きって

伝えられるんだ



私もみんなと同じだったら

他に迷うモノが無かったら

明に好きって

伝えられたかな



ホームインした男の子に歓喜の声援を送る女の子達に自分を置き換えて見ていた。



「どうしたの?」



ぼんやりと想いにふけていたら優しい女の人の声

声の方を向くと優しそうな綺麗な女の人が私にフンワリと笑いかけていた。

私より少し年上だろうか?

大人だけど少女みたいに微笑む人



「座っていい?」



優しい笑顔のその人は私の返事を待たずに横にそっと座る。



「悩み事かな…?」



優しいまなざしでそう笑いかけるその人に、私は警戒心を抱く事なくポツリと呟く。



「自分がどうするべきか分からないんです。」


「…うん。」



グラウンドを微笑みながら見詰め、透き通る様な声で彼女は頷く。



「大切なものがあり過ぎて、どれも大切なモノで…
なのに選べるのはひとつだけ。
私の進む方は決ってるのに

足が重いんです。」




私は目線をグラウンドから空に浮ぶ雲に移してゆっくり話す。




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