恋せよ乙女

「紫音。明日…土曜日、何か予定はある?」


………明日のあたしの予定?
…えっと、ちょっと待って。これってもしかして……、


「もしかして、デートのお誘いですか!?」


多少、調子にのって聞き返したのは否めないけれど。

でも、だって。
わざわざ予定を聞くってことは、その可能性だってあるわけで。


「…いや、質問してるのは僕だから。で?明日は暇なの?忙しいの?」

「いやー、もうっ!清々しいくらいに暇です!」


任意で学祭準備とかあったかもしれないけれど、それはあくまでも“任意”だし。準備自体、そこまで切羽詰まってる訳じゃない。

呆れ顔の氷室さんに嬉々としてそう答えれば、返ってきたのは彼には超レアな、満面の笑みだった。
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