恋せよ乙女
しだいに遠くなっていく三人の後ろ姿を眺める。
離れていく距離に、こんなことなら生徒会入っとけばよかった、だなんて、めんどくさくて立候補を拒否った約半年前の自分を心底恨めしく思った。
「おー、今日も騒々しくやってたな。まぁ、頑張れや。」
はぁっと脱力するあたしの頭に、不意にぽすっと乗っけられた手と、頭上からかけられた声。
ゆっくりと振り向けば、意地悪そうにあたしを見下ろして笑う、いとこの姿がそこにはあって。
「言われなくても頑張ってますー。」
「はは。見てればわかるっての。」
そう言って隼人も山宮みたいにあたしの頭を撫でるから、照れてきたのを隠すために軽く隼人を叩いた。