恋せよ乙女

「いてーって。
…で？毎日コレ続けて、少しは手応えあんのか？」


あたしが叩いた肩を軽くさすりながら、さっきよりもイヤミたっぷりな笑顔で問いかけてくる隼人。

…わかってるくせに。

聞かなくたって、そんなこと見てればわかるはずなのに。

わざわざそうあたしに聞いてくるのは、ただ単に、加藤隼人という人物が大変な意地悪だから。もちろんそれは、あたしに対してだけだけれど。


「えぇ、えぇ。手応えたっぷりですとも。
おかげさまで毎日、たっくさんお話できてますから。」


そういうとこ、ホンットに昔っから変わんない。別に悪い奴じゃないのは確かだけど、軽くムカつくのは確かだ。

べーっと舌を突きだしてみせるあたしに、隼人はククッと笑みを零す。


「…ま、俺はさ。お前のそういう一直線なとこ、嫌いじゃねぇけどな。」


そして小さく発された言葉に、はっと隼人を見上げれば、相変わらずな笑みを浮かべていて。一瞬フリーズしたあたしに構わず、隼人はまたあたしの頭の上に手を乗せた。