恋せよ乙女
あくまでも自分が氷室さんの彼女だと言い張って。あたしの記憶が戻らなかったら、きっとずっと、その位置に居座るつもりだったのだと考えると、何だか以上に虫ずが走った。
「どうして、って。鈴木さんこそ、ずいぶん変なことを聞くのね。」
「どうしたの、加藤さんいきなり。
それに、変なことって何?だいたいこの前話したときに、この話にあなたは納得済みでしょう?どうしてまた今さらほじくり返すのか、私にはわからない。」
鈴木さんの表情から笑みが消え、だんだんと口調も強まっていく。
あーぁ。ごめんね、隼人。何だか約束、守れそうにない。あたし普通に挑発しちゃってるし、あたし自身も挑発に乗っちゃってるかもしれない…否、乗っちゃってるわ。