恋せよ乙女
そんなあたしに構うことなく、鈴木さんは続ける。
「元々、あなたの存在が目障りだったのよ。……ほら、たまにいるでしょ?生理的に受け付けられなくて、根本的に自分とは合わないだろうなって思う人。まさに、私にとってのあなたみたいな。」
「……話したことだって、無かったじゃない。」
「話すとかそんなの、別にどうでもいいのよ。一年の時からずっとヘラヘラしてるあなたが、私は気に入らないの。」
理不尽だ、そうは思いつつも降り注ぐ冷たい目線に、何も言い返すことはできなかった。
「だからあなたにだけは絶対、彼を渡したくないの。負けたくない。」
けれど、放たれる鈴木さんの言葉に感じる、ほんの少しのひっかかり。
それを感じたあたしは、躊躇うことなく口を開いた。