恋せよ乙女
ってか3分の1って…
我ながら頑張ったな、あたし。
「そうですか。…あの、あたし、役に立てました?」
「え、あぁ。思った以上に有能だったよ。助かった。」
助かった、だなんて、氷室さんの口から聞けるなんて思ってもいなかった。
ハッキリ言って、これほど嬉しいことなんてないかもしれない。嬉しさのあまり、自然と笑みが零れて。
「ふふふ。じゃあ、これからまた愛の押し付けを…」
「ソレはまた今度ね。送ってあげるから、さっさと支度しなよ。」
さっきの続きを口にすれば、それを遮るように発された氷室さんの言葉に耳を疑う。
だって、何?
いきなり“送ってあげる”だなんて、一体彼はどうしたっていうんだ。
フリーズするあたしを尻目に帰り支度をする氷室さんを見て、何だか思考が追いつかない。