恋せよ乙女

「…ほら、帰るよ。」


そう言って生徒会室を出て行こうとする氷室さんを追いかけ、慌ててカバンをひっつかむ。

一緒に帰れる…

その予想外な出来事に、高鳴る胸の鼓動。
普段思いっきりアピールしてるくせに、こういうのは緊張するんだよね。

ってか、予想外な出来事に弱いっていうか何というか…


「っ!…危なっ…」

「す、すいません!」


慌てたせいなのか、緊張してるせいなのかわからないけれど、ドアの方へ向かう途中、思いっきりソファーの角に躓いた。

そして倒れる寸前に氷室さんに助けられるっていう始末…

抱きかかえられている体勢に、絶対顔が赤くなっていると確信した。

あー、何やってんのあたし。
超恥ずかしいんだけど。
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