恋せよ乙女
信じられなくて、また混乱し始めた頭…
熱があることも相まってか、ソファーに座ってるくせに、ぐにゃりと視界が歪む。
あー…、頭痛いのも再発ー。
「って、紫音?大丈夫?」
思わず頭を抱えたあたしに、慌てる氷室さんの姿。再びソファーに寝かせられ、冷たいタオルが額に置かれる。
「…このソファーで、絶対安静。
少し、寝た方がいいよ。」
そう言って氷室さんは、机の上から本を手に取り、あたしの向かい側にあるソファーに腰を下ろした。
時折聞こえる、ページをめくる音。
言われた通り寝ようと試みるも、ただ目をつむるだけに終わる。
だって。
さっきの言葉が耳から離れないんだもん。
“僕はキミを、ずっと探してた”