ほしいのはキミ
『あは…偶然ですね』
「お前名前は?俺は尾形岳」
『あたしは笹木乙葉です…』
「聞いたことないな」
あたしも、この人ははじめてみる。
「学年は?」
『1年です』
「あー、通りで聞かないわけだ。俺より学年下じゃ耳に入らないしな」
『え…じゃあ』
「俺は2年だから」
なるほど…先輩なんだ。
-ガタンッ
『わっ…!』
また大きく電車が揺れ、その反動であたしは先輩にぶつかった。
『…すみませんっ』
「いや、全然いいよ」
その言葉のあとに、先輩があたしの肩を抱いた。
え……、うそ。