ほしいのはキミ
「笹木」
『はいっ!!』
いきなり名前を呼ばれて、あたしの肩がビクッとなった。
「なにビクついてんだよ。ははっ」
先輩が笑ってる。
先輩の笑い顔がすごく可愛くみえた。
「変なヤツだな!」
ヘン…?
あたし!?
もぅなんとでもいって下さい…
「早くしないと門閉まるから急ぐか!」
急ぐをイコールでつなげると…
走る!?
まさしくこれだよね!?
先輩は制服のズボンを膝までたくし上げている。
あぁ、やっぱり。
あり得ない。いま電車で揺られたばかりなのに…
「死にそーな顔。大丈夫か?」
『…はぃぃ』
「じゃ、行くぞ!」
先輩と一緒にあたしは走った。
だけどあたしの体力が男である先輩にかなうわけもなく…