ほしいのはキミ
『ハァッ…もー…無理ですぅ…』
あたしは地面に座り込んだ。
「ちょっと飛ばし過ぎたな…ははっ」
いやいや、笑えないです。
今回の先輩の笑い顔は可愛いとは思えないです…ハイ。
「おぶってやるから、背中乗れよ」
……!?
あたしは勢いよく振り返り、先輩をみた。
「そんなんじゃ俺ら遅刻になるし。ほら、担いでやるから」
嘘でしょ!?
まさかの展開……。
『いや…でも、あのっ…あたしっ、あの…重くて…そのっ』
あたし重いから遠慮しときます
と言いたいのに、はっきりとそう言えない。
「あのそのばっかりで何言ってるかわかんねーよ」
『だから…っ!』
あたしが口を開いた時にはもう遅く、先輩に担がれていた。
嘘~~っ泣
「じゃ、走るから落ちんなよ」
ムリムリムリ!!
なんていうあたしの心の声は届かず、先輩はものすごいスピードで学校まで走った。