時の旋律
Ⅰ.始まりの詩

止まった時間

ーー唄が聞こえる。
落ち着くようで、逆に心をかき乱すような唄。何の唄かは知らないけど、聞いたことはある気がする。

いったい、何だっけーーー?


「いい加減にしやがれ間宮ぁ!!」

という言葉と共に、バシーッと俺ーー間宮 空ーーの頭に教科書が叩きつけられる。

「痛ってー!?」

その反動で俺は飛び起き、すぐさま声の方向を見ると……

起こらせたらヤバい先生ランキング断トツ一位に四年連続ランクインしている鬼塚先生(通称鬼セン)が、人間かどうかわからないような恐ろしい顔で見下していた。

「あ……えと、おはようございます?」
一応挨拶してみる。

「おう、おはよう。俺の授業はよく眠れたみたいだなーーって、この糞餓鬼ぃ!!!」
鬼センは俺の頭を片手で掴み、耳元で怒鳴り始めた。

「てめー何回寝りゃぁ気が済むんじゃ!!今日という今日は許さんからなぁ!!」

…ヤバい、そうとうご立腹のようだ。

「ハイ……スミマセン。」

俺は頭がガンガンするなか、必死に声を絞り出した。


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