時の旋律
Ⅲ.悲劇の詩
全ての始まり
「うっ……うわーん!」
ある森の入り口で、女の子が大声を上げて泣いていた。
どれだけ涙を流しても、涙が止まる気配はまるでなかった。
「どうしたの?」
1人の少年が女の子に駆け寄る。
「お人形……無くしたの。あれ、死んじゃった、ママがくれた物なの。」
女の子は泣きながら必死に言う。
少年は優しく微笑み女の子の頭を撫でた。
「そっか……、じゃあ一回、そのお人形を想い浮かべてみて。」