【長】野球ボール〜ソウソウの夏〜
着替え終えて、いつものベンチに座ってキョンキョンを待つ。


今まで何度か失恋も経験してきたけど、慣れるもんじゃねぇよな。

胸に穴が空いたようだ。


でもそれをキョンキョンに悟られたくなくて、気丈に振る舞ってみる。


「あ、キョンキョンも座りな〜」


「……ありがと」


「いえいえ。今日も暑かったな〜」


「そうだね…真夏だもん」


「今日は8月10日?まだまだ暑いのかな〜」


「やっぱり暑いんじゃない?」




無意識の内に、キョンキョンに話をさせないようにしてた。


あーあ。

覚悟できたと思ってたけど、俺ってまじ弱いなー。


……俺も、前に進まなきゃな。


前に…。
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