【長】野球ボール〜ソウソウの夏〜
カッキーン!!


カキンッ!!


カッキーン!!


ひたすら無心で打ち続けること数十分。

明日も学校だし、そろそろ帰るために立ち上がった。


「お疲れ様でーす♪」


「あれ?まだいたの?」


ここに着いたとき、また明日って別れたはずのアイボンが笑顔で立っていた。

しかも差し入れの缶ジュースまで持って。




「前から思ってましたけど…爽先輩のスイング、カッコイイですねー」


「スイングだけ?ん?」


わざと意地悪く聞いてみる。


「あはは♪いえいえ、爽先輩はまるごとカッコイイですー」


まるごとって…俺はフルーツか何かか?


「俺も前から思ってたけど、お前どっか抜けてるよなっ」


しっかりしてるようで、変なとこに穴があるというか…違和感を感じる。
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