【長】野球ボール〜ソウソウの夏〜
「そうですかー?」


自覚はないのか…。


「つか、もう帰れって。俺なんかに付き合わなくていいから」


ゴソゴソと片付けながら、一応少し気を遣って言ったのに……


「お見送りします♪」


無駄に明るい笑顔。

なーんかどっかほわほわしてて、不思議ちゃんオーラがあるよーな…?




「んじゃ、また明日な」


軽く手を挙げて歩き始めると……


「気を付けて帰ってくださいねー!!おやすみなさいっ」


ヒラヒラと細い指が揺れ動く。

”看板娘”それはきっと、この子のことを言うんだろうな。


蒸し暑い中、ゴクリともらったジュースを一口。


「うまっ」


冷たくて、疲れが吹っ飛ぶ味がした…。
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