【長】野球ボール〜ソウソウの夏〜
「俺、いいように使われてんなー」


ボソッと独り言。


「はい?」


「何でもねーよ」


どこか抜けてるアイボンに、振り回されてる気がする…。


俺ね、これでも女心は分かってる方だと思うわけ。

甘えられたことはあっても、使われた記憶はないし。




「調子狂うんだよなー」


「はい?何か言いました?」


「だーかーら、何でもないって」


うーん…。

考えるだけ無駄な気がしてきた。


「じゃ、帰る」


「はい♪また明日っ」


突然の帰る宣言にも全く動じてないし。

笑顔で手を振られると、撤回できずに帰るしかなくなった…。


何を期待してんだろう、俺。
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