【長】野球ボール〜ソウソウの夏〜
「えぇ!?何で笑ってるんですか!?」


オロオロするアイボンを見ながら、ひとしきり笑った後……

俺はスッとアイボンを見た。


夏の虫の音が心地よく響いてる…。

その空気を壊さないように、真剣に問う。


「俺のこと…どう思う?」


アイボンも俺の口調に、ふざけてんじゃないって気付いたはず。


暗くてはっきりとは分かんねぇけど、少し頬が赤いような…?

泳いでる瞳が、かわいいと思ってしまう。


困ってる?

だったらもう少しだけ…。




「愛衣?」


わざと名前を呼び捨てにしてみる。


すると今度は、じっと俺を見つめてきた。


アイボンの口が少しだけ動いて、俺の胸は何だかうるさく鳴ってる。


どんな言葉がその口から出るのか、ドキドキして目が離せない。


アイボンの心の中が知りたいんだ。
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