【長】野球ボール〜ソウソウの夏〜
「は!?け、経験って何の話っすか!!」


あわてふためく猛の姿的に…ビンゴか。

かわいい奴め。


そして挙動不審のまま去って行った。


「……爽先輩?」


猛を目で見送っていると、俺の胸の中で小さな声がした。


「あ、ごめん」


言い合いしてるときも、アイボンを抱きしめたままだった。

やっと解放したアイボンの顔は……


「猛より真っ赤」


思わず俺が口にした言葉で、更に顔を赤くした。




「な、何でもないですっ」


そう言いながら、プイッて横を向いた。


「ははは!!アイボンかわいいなっ」


胸がくすぐったい。


それを隠すように、アイボンの頭を少し強く撫でた。
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