【長】野球ボール〜ソウソウの夏〜
「や…っ」


その声が聞きたくて、首筋に唇をはわす。


「今日は…ダメ…」


聞こえないフリをして、どんどん下に下りていく。

そんな言い方こそダメだろ。


もう一度唇にキスをしようと顔を上げると、アイボンの目が色っぽく潤んでた。

このままじゃ、まじで止まんないかも…と思った……


そのとき。




「愛衣ー!!爽くーん!!ご飯よーっ」


階段の下から、アイボンのお母さんの声がした。


「わ、分かった!!すぐ行くっ」


そう返事をした後、俺の手をグイッと引いて……


「行こっ」


その笑顔もかわいいんだけど、でも…。


「愛衣」


呼び止めて、後ろからギュッと抱きしめた。


「もう一回だけ」


優しくそっと唇を重ねた。

俺の好きって気持ちが伝わるように…。
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