tear
「ここが、教室です。ここまでの道のりもそんな複雑じゃないし、場所は大丈夫ですね?」
「あ、はい」
確かに、玄関から入って正面の階段をあがり、
右手にすぐあるこの教室なら、大丈夫だろう。
っつーか、逆に迷う奴なんていんの?;;
ふと目にはいった木のプレートには、<2-4>と彫られていた。
教室の窓から伺える生徒達は、あたしを見てざわざわと騒いでいた。
(あぁこれ。この視線が緊張を増幅させんのよ・・・)
“ガラッ”
先に先生がドアを開けて教室に入り、
あたしもその後についていった。
それと同時に教室のざわめきが消えた。
(う・・・わぁぁぁあ;;し・・・視線が痛い・・・)
皆があたしをじぃっと見ている。
おかげであたしは顔をあげることができない。
「はい、今日は、皆ももう知っているでしょうが、転入生を紹介します。 海崎さん」
先生はあたしの方に顔を向けると、『自己紹介をしろ』と目線で促している。
お決まりのパターンだ。
「あ、 はい。今日転入してきた、海崎吏亜です。よろしくお願いしま---“ガラッ”」
え?