年下くんはオオカミです。

言霊は最強である。





まさかね。

あるわけないよね。

うん。

絶対そんなわけないよね。




「38度。完全に風邪ね」




…………。



体温計を片手に呆れたような表情になる、保健医さん。

椅子に座ってクラクラしながら“ありえない”と呪文のように唱えていたあたしは、その言葉に失笑した。


「……マジですか…」

「マジよー?」

「新手のドッキリとかじゃ…」

「ないわよ。はい、薬飲んで寝ましょうね?」




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