年下くんはオオカミです。
あたしは凄まじい速さで布団の中に潜り込んだ。
嫌だ!
神谷くんにいじられるのはごめんだ!
朝の登校時間だけで十分だ!
布団の中でガタブル震えていたあたしに、その時。
「…じゃあ、俺がここに居る間、マスク外しててもらえません?」
…………。
「はい?」
まったくもって意味のわからない神谷くんの言動に、
あたしは布団から顔を出して瞬きを繰り返しつつ、ヤツを見上げた。
神谷くんはいたって普通の表情をしている。
「えーっと…意味がわからないんだけども」