年下くんはオオカミです。




そしたら、神谷くんは、嫌味な笑みを浮かべていて、しかも舌まで覗かせていて。


……しまったぁ!

またはめられたぁあっ!!


頭を抱えるあたし、神谷くんは知らん顔で椅子から立ち上がる。

コノヤロウ!

と、あたしがヤツの背中を睨みつけると、神谷くんはグッドタイミングで振り向いた。

慌てて布団に隠れるあたし。

布団越しに聞こえた神谷くんの言葉は――…




「明日になっても熱が下がらなかったら、俺に言って下さいね。





……熱、もらってあげますから」







…――やっぱり、あたしには意味のわからないものだった。






< 21 / 32 >

この作品をシェア

pagetop