年下くんはオオカミです。




でもでも、やっぱりこれくらいの熱なら行った方がいいよね、うん。

そう決断したあたしは、寝ていたベッドから飛び降りて、身支度を整える。

一番大切な花粉避けのマスクを装着して、準備万端のあたしは、


「ホントに行って大丈夫?」


って心配してくるお母さんの制止を振り切って、玄関のドアを開けた。

途端に、


「ぶぇっくしょーいっ!」


くしゃみが飛び出すという驚愕。

これは花粉のせいなのか風邪のせいなのか…。

どっちにしろ、息が苦しいことに変わりはない。

鼻が詰まって呼吸困難になりそうだぜ。

目がかゆいけども、いちいち気にしてたら生きていけないって感じだから、我慢して通学路へと向かう。


そしたら、まるで一緒に登校するのを約束してたみたいに、曲がり角の部分に背を預ける格好で、神谷くんがそこに居た。




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