年下くんはオオカミです。
「大丈夫、大丈夫。復活したさ。宇佐美さんナメんな少年」
人差し指を立ててチチチと小刻みに振る。
すると神谷くん、その手を掴んで、もう片方の手をあたしの後頭部へと回した。
え。
と思ったのも束の間。
コツン
あたしの額と、神谷くんの額がくっついた。
近いっす。
神谷さん、顔、超近いっす。
目の前に、瞼を下した神谷くんの顔がある。
長い睫毛だなコノヤロウ。
マッチ乗せてやろうかコノヤロウ。
頭の中ではそんなことを考えているのに、あたしの心臓は今にも破裂しそうだ。