俺の宝物
「お父さん。懐かしかった。私ね、お父さんって呼べなかった。
本当はね、もしお父さんに会えたら抱き締めてもらいたかった。お父さんって呼びたかった。」


ゆりあは、また涙し始めた。俺はゆりあを優しく包み込んだ。


「でもさ。お父さんは新しい家族で頑張ってんだもん。父親。ちゃんとしてんだもん。その子たちのお父さんだからさ。
私は幸せ邪魔したくないし。」




「偉かったな。ゆりあは、大人だな。俺異常に。



「恋斗~。うぇ~ん」


大声でなくゆりあ。


俺はひたすら抱き締めた。


< 133 / 159 >

この作品をシェア

pagetop