恋する受験生
「え…… 家? でも、部屋汚いし」
「ちょうどいいから片付けなさい」
お母さんは呆れた顔でそう言って、私の頭を撫でた。
スキンシップ、大事なんだな。
最近、触ってなかったよね。
お母さんは私のこと。
「いつでもいいの?」
「いいよ。その子の都合のいい日に呼びなさい。ケーキでも買ってきておくから」
思わぬ展開……
家に来てくれるのは嬉しいけど、
俊…… 男だもん。
絶対怒られるよね。
お父さんもお母さんも女の人だと思って、許してくれたんだもん。
でも、でも、俊には会いたい。
これはもう、強行手段に出るしかない。
まさか、俊の目の前で怒ったりしないだろう。
勝手に女の人だと勘違いしたお父さんが悪い!!!
ってことで……
俊を誘わなきゃ。