恋する受験生
「でもね…… 親が、家に連れてきてもらえって言うんだけど。無理?」
一瞬、沈黙になった。
『別に俺はいいけど、家庭教師だと思えば普通だし』
俊、もっと困ると思ったのに。
全然平気って感じ。
女の子の家に行くことなんて、俊にとってはたいしたことじゃないのかな。
俊にはそういう女の子がたくさんいるの?
「俊の都合に合わせる」
『じゃあ、明日の夕方は?5時から6時くらいなら迷惑にならないだろ』
今日の俊はちょっと遠く感じる。
どうしてだろう。
顔を見ていないと、俊じゃないみたいで。
「俊は、本当にいいの?」
『何言ってんの?俺が嫌なら誘ってないよ』
優しい俊。
でも、なんだか大人な俊。
私は、俊が家に来ると思うだけでドキドキしてるっていうのに。