恋する受験生
次の日。
電話で説明した私の家の場所はわかりづらかったみたいで、俊は汗をかいていた。
「おい。お前の説明間違いだらけ」
家の前でしゃがんで俊を待っていた私。
俊は、制服の上の黒と白のチェックのもこもこした上着を着ていた。
見た瞬間に、私は同じ上着が欲しいと思った。
「よくわかったね!俊!!」
「おい。どれだけ苦労して探したかわかってる?もう……」
怒った顔もかっこいい。
重そうな鞄を地面に置き、上着を脱ぐ。
「で、本当に大丈夫なのかな?俺がお邪魔しても」
「うん!!平気平気!! 俊のこと、女の人だって思ってるけど…… まぁ、なんとかなるさ」
俊の重い鞄を私が持って、玄関へ一歩入る。
「ちょっと待て。今何か言った?俺が女って?」
「うん。勝手に誤解したお父さんとお母さんは悪いの」
「ちょっと!!それってやばくないか?俺、女のフリなんてできない」
真剣に悩む俊が面白い。