恋する受験生
「あはははは。別に女の人のフリなんてしなくていいよ。私は女の人だとは言ってないもん。だから、いいの」
「ちょっと待てって。俺の立場も考えてくれよ~!!どうすりゃいいんだよ」
もじもじする俊もかわいい。
「まぁ、とりあえず入ってみようよ」
「お前、他人事だな。あ~、だまされた!!」
動こうとしない俊の腕を掴んで、玄関へと引っ張った。
あれ?
何、このドキドキ。
別に直接肌に触れたわけじゃないのに、うっすらと感じる俊の温もりに、今…… めちゃめちゃときめいちゃったよ。
私、会ってない間にどんどん俊のこと好きになっていたんだ。