恋する受験生
「お待たせ~!」
「あ、あぁ」
部屋の真ん中に置かれた丸テーブルの横に置いた座布団の上に、チョコンと座った俊。
「これ、お母さんが張り切って買ってきたケーキなんだけど、食べて」
「いいの? お母さん、怒ってなかった?」
「うん!! 好青年だねって言ってた。本当に俊ってすごいよね」
俊は、そんなことないよと言いながら、爽やかにケーキを食べ始めた。
私は俊の向かい側に座って、俊の顔をチラチラ見ながらケーキを食べた。
「まだちゃんと聞いてなかったけど、志望校決まってるの?」
「うん。いちおう」