恋する受験生
私は、1番苦手な数学を教えてもらうことにした。
何度同じような問題を解いても、何となくしっくり来なくて、理解できない。
受験には絶対出るであろう問題だけど、いつも避けて通っていたような気がする。
俊は塾で教えてもらったというちょっと学校とは違う解き方を教えてくれた。
私のノートにシャーペンでサラサラと数式を書く。
初めて見た俊の字。
初めて見た俊の指。
初めて見た俊のひげ。
顔、見ちゃうよ。
だって
かっこいいもん。
でも、怒られるからちゃんと勉強もする。
1時間なんてあっという間で、本当にすぐに終わってしまった。
でも、苦手だった問題は絶対に得意になると思う。
俊が教えてくれたことは、全部しっかりと覚えているから。
俊に褒められたいから私は絶対にこの問題が得意になるよ。
だって。
これが
恋だもん。
受験生だけど、
受験も恋もどっちも頑張る!!!!
だって、生きてるんだもん。
この気持ちを抑えるなんてもったいない。
今は今しかないんだよ。
来年の春まで恋を我慢していたら、俊は誰かのものになっちゃうかもしれないもん。
だから、絶対にどっちも頑張る。
誰にも文句は言わせない。
恋をしたから受験に失敗したなんて言われないように、しっかり頑張るもん。